SCIフォーラム インタビュー【毛受 芳高】

毛受 芳高(めんじょう よしたか)

一般社団法人アスバシ 代表理事
高校生へのインターンシップ等の体験教育を提供する。高校を卒業後、18才で働くことを選択し、仕事とともに人間性・社会性・職務能力の成長を志向し、真のプロフェッショナルをめざす道、「高卒プロフェッショナルキャリア」を提唱。NPO法人アスクネットの設立者・顧問。その傍ら、2011年より東海若手起業塾実行委員会の代表をつとめ、東海地域の若手起業家の育成を行っている。

学校と地域をつなぐ教育

――毛受さんのこれまでのお仕事や活動をお聞かせください。

毛受 教育の課題を解決するためのNPO法人アスクネットという団体を立ち上げて、全国の「学校と地域をつなぐ教育コーディネート」という分野を事業開発しながら各地域に同志の団体を立ち上げてきました。同時に制度作りも経産省と一緒にやりながら、「社会的な活動と制度」「企業との連携」というところをやってきました。現在はさらに、主に、企業の力で「高校生インターンシップ」の推進をしていく一般社団法人アスバシを立ち上げ、子どもの貧困問題の解決をひとつの狙いとした、従来型の「高卒採用」を変えていく事業についても取り組んでいます。

「ソーシャルと企業が一緒のテーブルについて課題を解決していく場を作りたい」という意思をつなぐ

――社会イノベーター公志園との出会いは?

毛受 ブラザーさんと一緒にやっている東海若手起業塾に関わっていく中で、企業さんと一緒にやっていく機会をいただけました。また、私は第3期の社会イノベーター公志園に出場者として参加させていただいて、これまで連携したことがなかったような大企業の役員の方々と、論を戦わせたり、一緒に課題を解決したりする中で、連携に大きな可能性を感じました。

 

毛受 そんな中、中部・東海で長年、企業とソーシャルをつないでこられた一般社団法人SR連携プラットフォーム代表の関戸さんが急逝された。「ソーシャルと企業が一緒に対等な立場でテーブルについて課題を解決していく場を作りたい」という関戸さんの想いは、ずっと聞いていたことで、私もそんな場があったらいいな、と共感していました。だからこそ、この流れを、この火を絶やさないようにと、その役割をつないできた中で、この「SCIフォーラム」に繋がった。なので、この「SCIフォーラム」が立ち上がるのは、私としては非常にうれしいし、創造的な場ができるといいなと思っています。

 

課題を同じテーブルにのせ、「誰と一緒に考えるか」で発想が変わる

――この地域の企業とソーシャルが連携した動きはまだまだ少ないと思うのですが、そのあたりは毛受さんから見ていかがですか?

毛受 まだ、ソーシャルはソーシャル、企業は企業。という中で、お互いがいない、見えていない、見えていたとしても遠くにいる、同じ場にいない。という感じがまだまだします。うまく企業と連携できている団体さんもまだまだ少ない。企業側も「支援している」という立ち位置でやっているということが、まだまだ課題だと思います。

毛受 犬塚さんがおっしゃっている中で言い得て妙だなと思ったのは、「企業活動が起こした問題を、一生懸命ソーシャルが解決しようとしていて、その問題を起こしている企業が、それを片付けようとしているソーシャルを『支援』している、という、おかしな構造になっている」というものです。いくつかの分野では、そういうことが起きているなと思うのです。たとえば、外国人労働者の話もそうです。地域で外国人の子どもたちの教育が放置されている中で、地域のNPOが立ち上がって…ということが実際にあり、「まさにその通りの構造だ」と思いましたね。

毛受 それを同じテーブルにのせて、しっかりと同じ視点で、どうやったら解決できるかを考えるような、そういった場は非常に価値があるし、「誰と一緒に考えるか」で、発想がすごく変わると思うのです。その「誰と一緒に?」を考えることが、このフォーラムが果たすポイントなんじゃないかなと思います。

 

 

遊ぶように思考をめぐらせ、視点を変えられるような「人選」をしていきたい

――フォーラムに期待することやどんなことをしていきたいかを教えてください。

毛受 創造的な答えがわからない中では、「誰と一緒に考えるか」「どんな温度感で考えるか」が大事です。しかめっ面で生真面目に、「しなければいけません」「何か生みださなければなりません」みたいな感じだと、なにも生まれないと思うのです。

 

毛受 ちょっと遊ぶかのように思考をめぐらせていき、それを、今まで出会ったことのない人と一緒に話したら、それが「面白かった」と後から思える。それまで考えたことがないようなことが出てきて、「ああ、そんな風に見たら、この事業って面白いじゃん!」と思えるような。そのように企業さんも考えられるような「人選」をしていきたいと思っています。

毛受 「やってみたらすごく良かった!」と思う経験を積み重ねていけば、その中で、面白いアイディアが出てくるはずだと思います。そしてその面白いアイディアを一生懸命育てていく…という機会を「SCIフォーラム」では提供していきたいと思っています。その一連の動きをほかの企業さんがみて、「うちでもやりたい!」という気持ちになって、この地域で、そういうことがどんどん連なって、この動きが当たり前になっていくような、状況になるとうれしいなと考えています。

(インタビュアー:中島康滋)