SCIフォーラム インタビュー【出原 遠宏】

出原 遠宏(いずはら としひろ)

ブラザー工業株式会社 CSR&コミュニケーション部 部長
1986年入社。家電事業で製品の輸出を担当した後、1993 年に家庭用ミシンの海外営業部門でアジアやオセアニア向けの営業を担う。1996年に広報室へ異動し、広報IRの業務に従事。2006年、新設されたCSR推進部でブラザーのCSR活動のベース作りに携わる。2017年より現職となり、2019年からブラザーグループのSDGs達成への貢献を担当。

 

2006年にブラザー工業のCSR推進部の立ち上げメンバーに

――出原さんのこれまでのお仕事や活動をお聞かせください。

出原 1986年にブラザー工業に入社をしております。入社してから最初の10年間は、家電製品や家庭用ミシンの輸出関連の営業の業務をしておりました。そのあと10年、マスコミ向けの広報とか社内広報関係の仕事をしました。そのあと2006年にブラザーの中でCSR推進部が立ち上がりまして、その立ち上げメンバーとして5年間、CSR関係の仕事をしていました。その後、また広報に戻り、そしてまた3年前から、広報、コーポレートコミュニケーション及びCSRの責任者という立場で、いま仕事をさせていただいております。

 

「CSVが大事だ」と言ってはいたが、なかなか社内ではそれが展開しきれていなかった

出原 このフォーラムは、私どもにとって非常にありがたい話でした。というのは、今年の夏頃に私が言い出した話しなんですけれども、ブラザーはSDGs 対応やESGに対する意識が、同業他社に比べて低かったんですね。実はプリンティング業界というのは非常にそういうことに対する意識が高い会社が多く、正直言ってブラザーは周回遅れぐらいのイメージでした。

そこで「これはやっぱりなんとかしなければならない」ということで、経営層、具体的には社長のところに話を持っていきました。ブラザーの現社長は、数年前から「CSVというのが大事だ」ということを言ってはいたのですが、なかなか社内ではそれが展開しきれていなかったというのが現状でした。

その経営トップと我々とで、そこをしっかり展開していかなければいけないという形で動き出していました。

 

――そこで、SCIフォーラムに繋がるという流れでしょうか?

出原 はい。動き出していく中で、では具体的にどのようにしたらCSVをうまく展開できるのか?について、我々だけで進めるのは難しいと感じ始めていました。そこで今回、このサスティナブル・コ・イノベーション・フォーラムの準備委員会に加わらせていただき、そしてその後も、このSCIフォーラムのプログラムに、ブラザー工業として参加して、この活動を推進したいと思っています。

 

ブラザーは「事業=ものづくりを通じた社会課題解決」をしていくことが永遠のテーマ

出原 とにかくやはり、ブラザーは「ものづくりの会社」として「事業、つまり、ものづくりを通じた社会課題解決」は、永遠のテーマだと思っています。それができる企業である、ということは、企業自身もサスティナブルに発展できると信じていますので、ここをブラザーとして、しっかりやっていきたいなと思っています。

――ブラザーさんは、すごくCSRの活動をやられていますよね。子どもたちは、ブラザーは知らなくても「ブラザーアース」は知っていると思います。教育から環境から、いろんなことをされていると思うんですが、ブラザーさんとしてのCSR部分と今回のフォーラムの部分は、どういった意味を持っていますか?

出原 そうですね。われわれ名古屋市で生まれた会社として、「地域に対して、しっかり貢献をしよう」という意識は高くて、先ほどの名古屋市(科学館のプラネタリウム)のネーミングライツパートナーになったり、東海地区の若手社会起業家をサポートしたり、岐阜県で植林活動を行ったりなどいろいろなことをやってきました。

出原 その一方でやはり、我々の本業を通じてのCSRというところ、ここを改めてしっかりとやっていくことが重要だと思っています。それがひいては、ブラザーの事業の拡大にも良い影響を及ぼすのだと思っています。

「ソーシャル」という視点で見た時に、我々が知らなかったマーケットがまだまだあるのではないかと思っていて、そこで、我々の持っている技術や、ここまで蓄積されてきたいろいろなノウハウを生かすことで、企業としても成長し、そして、社会の課題も解決できるのではと思っています。

そして、やはり従業員の「誇り度」ですね。これが向上するというとこにも、大きくつながると思っていますので、そこも、我々の次の新たな CSR、CSVのフェーズとして考えたいと思っているところです。

(インタビュアー:中島康滋)