SCIフォーラム誕生の背景と役割

SCIフォーラムの誕生は、およそ10年前から繋がる活動の延長

SCIフォーラムは、2019年3月に活動が発表となりました。

このSCIフォーラムの誕生には、実はおよそ10年近い社会起業家との共創プログラムが深く関わっています。

2010年、NPO法人ISLの呼びかけで、社会イノベーター公志園300人実行委員会が主催した「社会イノベーター公志園」。

ソーシャルインパクトを起こす社会起業家を、企業の経営者やスタッフが約6か月間にわたる伴走支援して大会を進んでいくプログラムです。

http://koshien-online.jp/

この活動において、中部東海公志園世話人会が結成され、中部地域の社会起業家を全国大会へと輩出してきました。

この活動は2015年をもって活動を終了し、その後、中部東海公志園世話人会によって東海地域の自主的なプログラムとして、2017年に社会イノベーターフォーラムが開催されました。

そして2018年、この活動を継続していくプロジェクトが進む中で、ひとつのキーワードに出会います。

企業は社会の公器である

本来、企業は社会課題を解決するためにも存在し、社会課題を社会起業家に役割分担させて支援するという構図は違うのではないか?というテーマが出ました。

そして、これまでのおよそ10年の活動の取り組みを発展させ、新しく共創するプログラムとしてスタートする、それが、SCIフォーラムの誕生に繋がったのです。

 

社会課題解決は、ソリューションではなくイノベーション

近年の産業や企業には、イノベーションの創出が求められています。

不便を解決するソリューションではなく、これまでの常識を覆す(非常識)ようなイノベーションが求められています。

イノベーションの創出には、これまでにない発想や新しい着眼点が必要ですが、現状はそうした状態が起こりにくい現状があります。

そうした中、社会課題をテーマにしたビジネスや、ビジネスを通じて社会課題を解決することを行うソーシャルベンチャーや社会起業家などが増えています。

実際、昨今のビジネス界をリードするイノベーターたちの多くも、社会課題解決がミッションとして掲げられていることが多くあります。

こうした、社会課題の解決を、新市場や新製品を開発する機会と捉えて成長する企業は増えており、海外からも課題先進国としての日本へ多くの企業が注目しています。

私たちは、日本の企業がイノベーションを生み出し続けるためにも、こうした社会課題に具体的かつリアルに取り組むことが必要だと考えています。

この社会課題という解決方法に道筋のついていないテーマへの取り組みは、新しい視点や発想を生み出す機会となり、社会起業家が活動するスピード感やスケール感を体感し、事業へのコミットメントやチームワークなど、社内だけでは体験できないような機会となります。

SCIフォーラムが提供するアクセラレータープログラムなどを通じ、具体的なイノベーションを起こすことはもちろん、そうしたマインドやスキルを身につけていくことで、自社のサスティナブルな成長に繋がるイノベーティブな事業創出が行われることを期待しています。

 

社会が大きく激変する時代 ~グローバルリスク、ESG投資、SDGs

企業の活動は社会環境に大きく左右される時代へと変わってきました。
世界経済フォーラムが発表するグローバルリスク報告書においても、その内容の変化は顕著です。

発生や影響の大きいリスクとして、10年前は国と国との戦いがメインであったため「経済」「地政学的リスク」などが上位でした。しかし現在は「環境」「テクノロジー」といった地球や環境といった内容が上位を占めるようになりました。

 

グローバルリスク報告書

 

また、「世界はVUCAワールドとなった」という言葉で表されるように、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という予想の困難な時代となっています。

VUCA

 

こうした中、世界の投資家や金融も時代の変化に対しESG投資という概念が定着しつつあります。
ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業への投資であり、ESG評価の高い企業は事業の社会的意義、成長の持続性など優れているとされ、むしろそうした環境の変化に対応できない企業は、疑問を投げかけられる時代となってきました。

 

このように世界が大きな動きを見せた背景には、SDGsの誕生が大きく関わっています。

2015年9月、国連において193カ国によりに「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。「誰一人取り残さない-No one will be left behind」を理念とし、国際社会が2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な社会を実現するために17のゴール(持続可能な開発目標)を、SDGs(Sustainable Development Goals)として設定しました。

前身のミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)に、環境や産業などを具体的に加えた形で誕生したこと、そしてグローバルリスクの高まりなどもあいまり、国や企業などを超えて地球レベルでの活動になりつつあります。

SCIフォーラムの役割

SCIフォーラムは、これまでの約10年間の活動における企業と社会課題との取り組みを発展させ、企業の課題となっているイノベーションを、グローバル/ローカルの社会課題を通じて生み出せる機会を提供します。

私たちの社会や企業の持続可能(Sustainable:サスティナブル)な成長には、お互いのセクターを越えた共創(コ・イノベーション:Co-Innovation)が不可欠であり、人と情報とが出会い取り組みをはじめるための場(Forum:フォーラム)を提供していきます。

企業は社会の公器である

このことを私たちは再認識すると共に、それぞれの企業が自主的かつ具体的な活動として、イノベーション創出によってより良い社会づくりに貢献していきたいと考えています。

 

SCIフォーラム 中島康滋(イノベーションファクトリー株式会社)